カゴアミドリ

               

ローヌ川のほとり、エミリー・ルイヨンさんの工房をたずねて

フランス南東部。雄大なローヌ川を見下ろす高台にアトリエを構えるかご作家、エミリー・ルイヨンさんを今春訪ねました。


 
ヨーロッパ伝統のヤナギ細工をベースとして、強くて美しい、暮らしのかごを制作している作り手さんです。

 
町から少し離れた岡の上の一軒家に、パートナーのレミさん、中学生の息子さんと3人で暮らしているエミリーさん。築100年以上の石の家を、ご夫婦でこつこつと9年もの時間をかけてリノベーションしたそうです。


 
山や自然が大好きで、もともとはネイチャーガイド・環境教育者として活躍していたエミリーさんは、この家に引っ越したタイミングで、自宅でできる独立した仕事を身につけることを決意しました。

自分の価値観にあう仕事かどうか、自然環境や人を尊重する仕事かどうか、という視点で検討してみた結果、3つの職業に絞り込まれたといいます。

1.ろくろを使った木工
2.石工
3.かごづくり

その中でも、地域の中で継続的に素材の採取ができ、使い終わった後には再び自然へと戻っていく「かご」作りに一番惹かれ、フランス国内唯一のかごの学校に入学して本格的に学ぶことを決意。2008年に卒業し、かご職人としての道を歩み始めたのでした。

 
古いかごや、長く受け継がれてきた技法の中に隠れている合理性、洗練された美や意匠を見出すことに長けているエミリーさん。
 
「パニエ・アストゥーリ」は、その考えかたがよく伝わってくる代表作の一つ。スペイン北部・アストゥーリ州に伝わる古い編組技術を取り入れながら、洗練されたスタイルに昇華させています。
  

 
昨年は、6か月もの時間をかけて中南米の村々を回り、各地に残るかご作りを学んできたというエミリーさん。これからの作品づくりがますます楽しみな作り手のお一人です。



裏庭のヤナギの株。冬に若枝を刈り取れば、春にはまた新しい枝が伸びはじめます。

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